2021.10.15

経営者魂

経営者魂 ㈲サカイ

「経営者魂」

㈲サカイ

「変化しない本質を守りながら 新しいものを取り入れていくサカイ スタイル」

 

㈲サカイ 代表取締役 酒井正喜

 

福島県中通り南部、阿武隈地域の豊かな緑と清らかな水の流れ等、美しい自然に包まれた

石川町は東北自動車道や東北新幹線の通る白河市に隣接し、JR水郡線が南北に走り、福島県

の空の玄関口福島空港にもほど近く人口は約15,000人で、総人口39,000人の石川郡を構成

する4つの町村の中では一番大きく、リンゴと石川牛を特産品に持ち、母畑温泉、猫啼温泉、

片倉温泉を有し、農業と観光を主な産業とした春になると川沿いに見事に咲き誇る桜並木を

シンボルとした地域で、明治38年に創業し、令和7年には120周年を迎えようとしている

老舗の眼鏡・補聴器・宝飾・時計を扱う㈲サカイの酒井正喜社長にスポットをあてていろいろ

とお話を伺いました。

 

明治38年初代酒井誠一が酒井時計店として創業し、昭和35年酒井社長の父酒井一郎が

代表となり、酒井社長は昭和55年に酒井時計店に入り、平成6年に代表に就任、平成9年

法人化を行い現在に至っており、店舗は商店街に位置し5台駐車できる専用駐車場を店舗横

に配し、売場面積は45坪とゆったりとした店内にメガネ、宝飾、補聴器、時計を取り扱い、

地域密着型のなくてはならないお店として広く認知されています。

サカイの外観

 

取り扱い商品の中でメインとなるのはメガネで全体売上の40%を占め、催事中心の宝飾の

売上が35%、補聴器が15%、その他で10%となっているそうで、酒井社長が主にメガネの検眼

や補聴器、奥様が宝飾及びメガネの販売、ご子息の健太郎専務がメガネ全般や加工そして

顧客管理や各種企画立案としっかりと役割分担ができており、主力部門のメガネの主な取り

扱いブランドは、ラインアート、歩、パサバ、トニーセーム、リアル、オークリー等があり、

セットメガネ600本、単品フレーム500本、サングラス150本と品揃えも充実した店舗と

なっています。小商圏ということで全ての年代が顧客としてとらえているが、少子高齢化が

進み60才以上のお客様が全体の50%となるそうで、近年補聴器に力をいれ2019年には聴力

検査室を新たに新設し、試聴器も充実させて大きな成果を出しているとのことでした。因みに

一次商圏は石川町の人口より多い25,000人を設定し、さらにチラシを折り込む範囲として

石川郡と東白川郡の全域、そして白河市の一部を含む20,000枚のチラシで網羅しているそう

です。

 

酒井社長は高校迄地元で過し、父の朝から晩まで一日中時計修理に多忙を極める姿を見て、

後は継がないと決心し早稲田大学商学部に入学したが、これからは時計の修理をしなくても

仕事のできる店になるという父の一言に心が揺らぎ、親孝行の意味で1年間郡山市の時計

部品と宝石の卸売りを行っている会社で修業し26才の時に酒井時計店に入り、平成6年に

隣地を買収し店舗を拡張した時に代表となり、平成9年に法人化を図り㈲サカイ改名したそ

うです。

 

そんな酒井社長が大切にしていることは「不易流行」であり、決して変わることのない

不易性と、絶えず変化し続ける流行性は本質的には同じで、「古いも新しいも共に同じ」、

変化しない本質的なもの守りながら、新しいものを取り入れていくということで、サカイの

本質とは創業当時からコツコツとお客様との信頼関係を地道に築き、商売の本質はお客様

から信用されることを大切に、時代の変化に合わせて臨機応変に対応していくよう心掛けて

いるとのことで、真面目で実直な酒井社長らしさを感じることができました。

明るく商品を選びやすく配置されて店内

 

また、酒井社長の好きな言葉は論語の名言の一つで「徳は孤ならず必ず隣あり」だそうで、

地元で大変有名な菓子店を経営している酒井社長の従兄が主催した勉強会や「経営としての

論語」という書籍から学び、徳を身に着けた人はずっとひとりぼっちということはない、必ず

身近に慕い、理解してくれる人が現れるものだ、どんな辛いことでも自分を磨くことに専念

すればいいんだと、自分自身を勇気づける言葉として、周りの人と意見が違っても本質から

ブレないように、また大勢に流されやすい自分自身を律する戒めも含めて大切にしている

言葉だそうです。

 

酒井社長のリフレッシュタイムは食べ歩き、飲み歩き、音楽鑑賞、ラグビー観戦を上げられ、

自宅に隣接した蔵をリフォームした「大人の基地」があり、一度拝見したことがありますが、

音響効果抜群の室内に素晴らしいオーディオセット、そして業務用のお酒専用冷蔵庫があり、

休みの日はジャスを聞きながら読書したり、大好きな日本酒を飲むのを楽しみにしており、

また奥様といろいろな美味しいお店を探して車や新幹線で遠くまで出かけるのも楽しみに

しているそうです。

 

酒井社長は地元では39才の時にいわき石川青年会議所の理事長を務めたり、現在は地元

密着型のポイントカードを発行しているさくらカード協同組合の理事長や商工会の筆頭理事

を務め、大変お忙しい毎日を送っているそうですが、現在の店舗でこだわり徹していて、さら

にこれから将来に向けて重要と位置付けていることは遠近両用メガネと補聴器であり、チラ

シも遠近両用の割合が多くなり、また遠近両用単独チラシの場合は裏面に補聴器を掲載した

り、さらに補聴器相談会の回数を増やしたりと、工夫や変化をつけているそうで、親子三人の

役割分担が上手くできていて、健太郎専務も閉店後遅くまで様々な若い感覚で仕事をして

おり、これ以上何かをするように等と言えるような状況ではないが、いつか訪れる世代交代

の時は自分自身の考えた通り自由にやって欲しいと温かい眼差しで言われたのが大変印象的

でした。

 

プライム21については、酒井社長は1995年の旧プライム21の立ち上げ時からのメンバー

であり、業界情報や仕入と販促を共有することによってもたらされた恩恵は数限りなく、組織

を支えてくれている役員には心から感謝をしているとのことで、全体会には酒井社長だけで

なく、都合が付けば健太郎専務と一緒に参加するという熱心さで、大手チェーン店の出店攻勢

でメガネの価格に対する価値観が大きく多様化してきたが、専門店にしかできない、専門店

だからそこできる使命を突き詰めて差別化をはかれば、まだまだ捨てたもんじゃないと、

とにかく頑張っている仲間からの刺激が一番のやる気につながる、人口規模の小さい商圏で

もちゃんと展開している姿が周りの皆さんの刺激になってもらえたら嬉しいということで

お話を締めくくっていただきました。

 

サカイさんの益々のご発展、そして酒井社長のさらなるご活躍を心より期待しています。

「ありがとうございました。」

(全て敬称略)

明るくゆったりとして店内の様子

 

【お店情報】

□会社名 有限会社 サカイ

□所在地 〒963-7858 福島県石川郡石川町下泉165

□Tel 0247-26-2716

□Fax 0247-26-5926

□URL www.sakaimegane.com

□代表者 代表取締役 酒井正喜

□資本金 3,000,000円

□駐車場 5台

□営業時間 AM9:00~PM7:00

□定休日 火曜日

□スタッフ数 3名

□主な取り扱いブランド

ラインアート、アユミ、パサバ、リアル、マサキマツシマ、トニーセーム、オークリー、

フェイスフォント、ドゥアン、ジョンレノン、レプリ、バレンチノルディ