2022.02.14

経営者魂

経営者魂 ㈲いなりや

「経営者魂」

㈲いなりや

「常に時代の先端を目指し  感性を生かしたお客様に寄り添う経営」

㈲いなりや 代表取締役 倉持英一

 

茨城県の㈲いなりや は昭和3年創業で90年を超える老舗でメガネ・宝石・時計・補聴器

を取り扱い、坂東市のいなりや本店と常総市にあるINARIYA石下店の2店舗を運営し、主力

店舗の石下店に普段在籍する4代目の倉持英一社長にいろいろとお話を伺ってきました。

 

モダンな建物のINARIYA石下店のある常総市は、茨城県南西部に位置し都心から約55㎞

程で、鉄道や高速道路を使って1時間弱とアクセスも良く通勤圏となっています。常総市は

東につくば市、西に坂東市、南は守谷市に接し、四季を通して穏やかな太平洋型気候になって

おり、市の中央部には2015年の台風18号 関東・東北豪雨による堤防決壊によって甚大な

被害をもたらした鬼怒川が流れ、東部は水田地帯、西部は丘陵地で畑や団地、工業団地、

ゴルフ場等があり、近郊整備地帯として都市機能が強化され、特産品としては結城紬・日本酒

があげられ、人口は約62,000人で商圏は常総市全域と本店のある坂東市沓掛地区を含み

約66,000人を設定しているそうです。

 

売上比率は本店30%に対して石下店70%と、INARIYA石下店が主力店舗となりますが、

石下店の中でもメガネが80%、補聴器が20%という構成で、お客様の層としては男性45%、

女性55%、また、45歳以上のお客様が全体の80%を占めているということで、主要取り扱い

ブランドで掲げられているGUCCI、ボッテガベネタ、BJクラシック、DJUAL、トニーセーム、

VioRou、AKITTO等の個性的な商品の他に、最近はメンズマーク、チタノス、ビバレディ、

ターニングツバキ等の商品構成も増えているそうです。

 

とってもお洒落な店舗は売り場面積50坪、駐車場は20台と十分なスペースが確保され、

営業時間はAM10:00~PM7:00(土日祝のみPM6:00閉店)で定休日は毎週水曜日で、スタッフは

男性2名・女性2名の4名で全員30代40代ということで、新しい感覚と安心感のある雰囲

気を醸し出していました。

 

INARIYA石下店の洗練された外観

いなりやは昭和3年に坂東市(旧猿島郡)沓掛に曾祖父母がいなりや商店を立ち上げ、

当時は衣料品を中心に食料品も扱っていたとのことで、英一社長の父で現会長の倉持幸市氏

が昭和50年10月にメガネと時計を取り扱い始め現在の礎を作られたそうです。

その後、幸市氏は郊外型ショッピングセンター全盛時に商店街の衰退を肌で感じ、「出るも

地獄、出ないも地獄、同じ地獄ならやるだけのことをやって地獄を見よう」と平成11年に

売場面積13,500㎡、ユニーを核に30の専門店が揃う、地域一番の大型SCアピタの開業に

合わせて出店し営業を行いました。その後、アピタの集客力の低下と、当時の英一専務の

路面店への憧れから14年在籍したアピタ石下店を退店し平成25年に現在のINARIYA石下店

への移転出店を果たしたそうです。

 

奇しくも平成27年の台風18号による鬼怒川の堤防決壊に伴う水害により常総市は甚大な

被害を受け、INARIYA石下店も被災しましたが周辺に比べると比較的早くに復興でき、多くの

お客様の困りごとに対してお役に立つことができたそうです。また、アピタ石下店に関して

は、その後復興の象徴となることも叶わず、同年12月に閉店となったことを考えると絶妙な

タイミングでの移転出店と言えると思います。

外からの採光を取り入れた明るく広い清潔感のある店内

 

倉持社長は1978年生まれの現在42歳、今から5年前に社長に就任しまたが、地元の

県立境高校を卒業後に高千穂商科大学に入学し、卒業後は日本ゴールドチェーン加盟店の

ジュエルセブンさんに3年間お世話になり、その後アパレルメーカーで3年間異業種での

勉強と経験を積み、平成18年4月にいなりやに入社し、東京眼鏡専門学校の通信教育を受け、

SS級認定眼鏡士資格を取得し、新店舗の出店に大きく関わり入社10年後に社長に就任

されています。

 

そんな倉持社長が好きな言葉に、いなりやに入社した時にお母様から初めて言われた

言葉があり、「嫌いなことを無理してやっても仕方ないだろう、私は不得意なことは一切

やらず得意なことだけやるようにしている。お金を稼ぐより時間を稼ぎない」という言葉で、

嫌いなことや欠点は周りから補ってもらい、一人で抱え込まずに助けてもらい、あなたにしか

できないことをしっかりとやりなさいと言われているようで、今でもその時のことを鮮明に

覚えているそうです。

 

そして、いなりやではお客様にしっかりと向き合うことを最重要として捉え、お客様の

要望を把握するためのヒヤリングを徹底し、より満足していただけるようなフレームや

レンズを提案できるよう努めているということで、専門的な説明が多くなりがちな業種に

あって、丁寧に分かり易く安心感を与えられるような言い回しを心掛け、コンシェルジュ的   な接客を目指しているそうです。また、店内ではお客様から落ち着いてリラックスでき、

ゆっくりと接客できる雰囲気づくりに努め、快適なメガネライフを送っていただくための

商品選びのお手伝いに徹し、商品は日本製を中心に揃えているそうです。

 

英一社長のリフレッシュタイムは観葉植物を集めて大きく育てることと、筋トレと

ジョギングで、週2回はジムに通っているそうで、他にワインが好きで、特にブルゴーニュ

のワインが好みで、良いワインを家飲みで消費する機会も少なく、しだいにコレクター的に

なってしまい現在100本近いワインがセラーに静かに眠っているそうで、倉持社長とワイン

バーでご一緒した際にはワイン談義に花が咲き、大変楽しいひと時を過ごさせてもらい

ました。

 

プライム21にはお父様の幸市会長が任意の団体当時から参画され、プライム21のいくつ

もの役員をつとめていただき、大変深いお付き合いをさせていただいていますが、英一社長

からは参加するようになり、沢山の先輩方からの話と考え方が勉強になり、特に企画書の

作り方は実際の現場で役立ったそうで、また、参加加盟店の店舗視察ではいつも刺激を受け

大きな影響を受けているとのことでした。

木目調の店内は見やすく綺麗に商品が陳列されている

 

倉持社長は将来に向けて、ビジョントレーニングに取り組んでいきたいと考えている

そうで、医療の進化でメガネが必要でない方が増えてくる状況に対して、もともとある眼の

基礎機能を向上させたり、メガネだけではどうしても視力が出ない方などのパーソナル

トレーナーのようになっていければとイメージし、新しい機械の導入や資格取得について

検討中とのことでした。また、専門店に関しては体験型の要素の入ったお店が必要とされ、

よりエンターテインメント化した店づくりへのアンテナを張らなくてはとお話されていた

ことが印象的でした。

最後にプライム21に対しては、自分自身気持ちの持って行き方の上下の起伏が激しい

ので、プライム21に参加することでモチベーションの維持と向上に物凄く助かっている

そうで、全体会で会員の皆さんと話しをすることで、もっと頑張らなくてはと刺激を受け、

できればもっと集まる回数を増やして欲しいとのリクエストもいただきました。また、

業界として取り組み方は多様化しており正解はないが、どんな取り組み方をしようと認め

合い、やりたいことができ、さらに助け合える仲間の集まりであることに魅力を感じる

とのお話で締めくくっていただきました。

 

いなりやさんの益々のご発展、そして倉持社長のさらなるご活躍を心より期待しています。

「ありがとうございました。」

取材:2021年10月

INARIYA石下店の全景

 

【お店情報】

□有限会社 いなりや

□所在地

いなりや本店

〒306-015 茨城県坂東市沓掛3912-2

Tel 0297-44-2105

Fax 0297-44-2115

INARIYA石下店

〒300-2706 茨城県常総市新石下3936

Tel 0297-30-4801

Fax 0297-30-4802

□URL www.inariya-glasses.jp

□代表者 代表取締役 倉持英一

□資本金 3,00,000円

□駐車台数 20台

□営業時間 AM10:00~PM7:00(土日祝のみPM6:00閉店)

□定休日 水曜日

□スタッフ数 7名

□主な取り扱いブランド

グッチ・レイバン・ボッテガベネタ・リドル・REAL・BJクラシック・DJUAL・

トニーセーム・VioRou・AKITTO・ラインアート