2022.09.29

経営者魂

経営者魂 めがね高島屋

「経営者魂」

㈱髙島屋呉服店 めがね髙島屋

「異業種参入でも商売の原理原則は同じ」

 

㈱ 髙島屋呉服店 専務取締役 兼 めがね髙島屋 店長  原納 健

 

島根県益田市は人口45,000人、山口県と広島県境と接し、浜田市と並び県西部の中心

都市となっています。市内を流れる高津川は全国の一級河川の中でも珍しくダムが無い

清流日本一と言われ国内屈指の水質が保たれ、良質のコケが発生することにより、薫り高い

「鮎」は名産の一つで、「山葵」の産地としても有名です。また、山陰と山陽を結ぶ交通の

要衝地として、また駅から10分程度の近隣には「萩 石見空港」も配し栄え、平成2年には

「中世日本の傑作 益田を味わう-地方の時代に輝き再び-」が日本遺産に認定され、歴史を

物語る港、城、館の遺跡と景観、寺院や神社、町並み、庭園、絵画、仏像などの一級品が

まとまって残っており、全国でも稀な中世日本を味わうことのできる観光の街として定着

しています。

 

めがね髙島屋は、創業120年を越える益田市の老舗呉服店㈱髙島屋呉服店の眼鏡事業部

として2002年に設立され、異業種からの参入で現在に至っていますが、そのキッカケを作り

立ち上げから今も中心人物として関わってこられた原納 健専務にいろいろとお話を伺って

きました。

 

原納専務は大分県内の大学卒業後、家業の呉服店が催事の際に宝石を取り扱った関係から

大阪の宝石店に修行に行き、その際に阪神淡路大震災に遭遇し、宝石店は日々の営業に大きな

痛手を受けたにも関わらず、隣接するメガネ店舗では多くのお客様の困りごとに対し役に

立ち、流通が復帰した後は営業も順調に推移している姿を目の当りにしました。当日社長の

父に報告、自分自身も目が悪かったことから「眼鏡に興味、がありビジネスとして立ち上げ

たい」との相談を持ち掛けると「おもしろい」と鶴の一声でトントン拍子に話が進み東京の

眼鏡学校に入学、卒業と同時に認定眼鏡士の資格を取得して、31才の時に益田市に戻り移動

販売車で呉服のお客様を中心に外販を行いながら、6年後に3階建ての髙島屋呉服店の1階

に約20坪のスペースで店舗をオープンさせ、その4年後には売場面積35坪、駐車台数12台

を擁する現在の中心市街地の路面店に移転して現在に至るそうです。

めがねの髙島屋の全景

 

めがね髙島屋の設定している商圏人口は益田市、浜田市の一部、鹿足郡の65,000人、

取り扱品目はメガネと補聴器で売上比率はメガネ8割、補聴器2割だそうで、お客様は

お子様から高齢者まで満遍なく平均的にご来店いただいているということで、60才代

以上の比率も30%ということから、若いお客様も多くご来店いただいているそうです。

店内壁面にはセットメガネがずらりと並び、店内中央にはこだわりのブランドや国産を

中心とした単品フレームも数多く取り扱っており、フレーム在庫は総数で約700本程あり、

スタッフは男性2名女性1名の3名体制で全員がSS級認定眼鏡士の資格を持つ技術レベル

の高いお店と言えます。また兄の正佳社長が髙島屋呉服店の本体の経営全般を司り、兄弟での

役割分担が明確になっているも特徴と言えます。

 

原納専務にとって自分自身がやりたいという希望を父から理解してもらい、始めた今の

メガネに携わってからの全ての出来事が刺激的で人生の中で最も影響を受けた出来事と

話されており、好きな言葉として普段から心掛けている「笑顔」を挙げ、いつも意識して

いるそうです。

めがね髙島屋の店内の様子

 

めがね髙島屋で日常の業務でこだわっていることは専門店らしく より専門性を追求した

「ちゃんと見えるメガネの提供」で、また近隣の同業他店であまり力の入っていない

子ども用メガネにも特に力を入れているそうです。さらに近年増加してきた補聴器需要に

応えるべく取り組んでおり、定期的に相談会を開催し、現在メガネと補聴器という二本柱で

展開していますが、もともとの原点である「移動販売車」を今まで以上に活用し、以前とは

異なる新しい発想で地域の皆さんのご要望に応えていける眼鏡店を目指していきたいと抱負

も語られ頼もしく感じました。

 

そんな原納専務のリフレッシュタイムは、四人のお嬢さんと個々に好みに合わせて

映画鑑賞したり、ドライブに行ったりということがオフの楽しみ方で、家族思いの一面も

垣間見ることができました。

めがね髙島屋の店内の様子

 

異業種から参入し、メガネの仕事は内容がいろいろな意味で細かく、それだけキチンと

しないといけないと感じており、またメーカーさんや問屋さんからの応援体制も充実して

いるのにも驚かれたそうで、たま、プライム21に初めて参加した時、右も左もわからない、

知らないことばかりの素人の質問に親切丁寧に教えてもらったことが今でも印象的で、様々

な取り組みや販促情報は専門性の向上に多いに役立っているとのことでした。

将来の眼鏡店も呉服店と同じように絞りこまれていくと感じており、自店として「ちゃんと

見えるメガネ」と「コミュニケーションの充実」に磨きをかけていきたいと力強くお話されて

いました。

 

めがね髙島屋さんの益々のご発展、そして原納専務のさらなるご活躍を心より期待して

います。

「ありがとうございました。」

取材:2021年5月

(全て敬称略)

 

 

【お店情報】

□会社名 株式会社 髙島屋呉服店

□所在地 〒698-0007 島根県益田市昭和町12-11

www.gofukuten.com

□代表者 代表取締役 原納正佳

□資本金 45,000,000円

□めがね髙島屋

□所在地 〒698-0003 島根県益田市乙吉町イ336-5

□Tel 0856-23-0041

□Fax 0856-25-7366

www.megane-t.jp

□駐車場 12台

□営業時間 AM10:00~PM7:00

□定休日 毎月第2/第4水曜日

□スタッフ数 3名

□主な取り扱いブランド

サムライ翔、マサキマツシマ、BJクラシック、レイバン、ラインアート、オークリー、

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